カーボカウントで糖質コントロール
カーボカウントってなに?
カーボカウントは、食後血糖値の主な原因である炭水化物(英語でカーボハイドレイト)の量だけを計算(カウント)し、炭水化物摂取量をコントロールする糖尿病の食事療法のひとつです。
炭水化物を極端に制限する糖質制限食とは異なり、自分にあった適量の炭水化物量を摂取しながら、食後の血糖値をコントロールする食事療法です。
栄養素によって食後血糖値の影響が違います
私たちは三大栄養素と呼ばれている、炭水化物・たんぱく質・脂質からエネルギー(カロリー)を得て、活動していますが、摂取する栄養素によって食後の血糖値の上がり方が違います。
炭水化物:食後から急激に上昇し、食後30分~1時間後に最も高くなります。
たんぱく質:食後3時間頃に高くなります。
脂質:消化に時間がかかるため、食直後の血糖値は高くなく、食後6~12時間頃に上昇します。
では食後2時間の血糖上昇イメージはどうでしょう?
炭水化物:100%ブトウ糖に置きかわります。消化吸収が早く、食後最も早く大きく血糖値を上昇させます。
たんぱく質:50~60%がブドウ糖に置き換わります。血糖上昇作用は少ないですが、ゆっくりとブドウ糖に変換されるので4~12時間後に血糖が上昇する場合があります。
脂質:約10%がブドウ糖に置き換わります。消化に時間がかかるため、食後すぐの血糖は高くなりませんが、3~5時間後に血糖が上昇する事があります。
このようにタンパク質や脂質は食後の血糖値への影響は少ないので、食後の血糖値は炭水化物摂取量でほぼ90%が決まります。
炭水化物を多く含む食品にしぼってカーボカウントする
炭水化物はごはんやパンやめん等の主食、でんぷん質の多い野菜、果物、乳製品、菓子類、ジュースなどに多く含まれます。
一方、肉や魚介類、卵などのたんぱく質や油脂類にはほとんど含まれないのでカウントはしません。
炭水化物を多く含む食品を知って、炭水化物量をカウントします。
1日にどのくらいの炭水化物量を食べたらよいかはこちらをご覧ください。
※糖尿病治療中の方は医師や管理栄養士に適正炭水化物量を相談してください。
カーボカウントは、特にやせ形の糖尿病患者さんやⅠ型の糖尿病患者に向くことが多く、欧米での糖尿病治療はすでにカーボカウントが主流となっています。カーボカウントにより糖質摂取を減らすというよりも、炭水化物を適量摂取してバランスよく食事をする方法ともいえます。
糖尿病治療だけに限らず、今後は未病を防ぐ食事コントロール法としても広まっていくのではないかと思っています。