野菜ならいくらでも食べていいの?
栄養カウンセリングでかなりの頻度で受ける質問です。
『野菜ならいくらでも食べていいんでしょう?』
昔はこう答えていました。
『味付けに使う塩や油を除けば、制限はありません!沢山食べてくださいね。』
でも今はこう答えるパターンが増えました。
『野菜以外のおかずやご飯の入る隙間は残すぐらいの野菜量にしましょう』
野菜を先に食べて血糖値や中性脂肪値の急上昇をふせぐ食事の取り方(ベジファースト)が浸透しだしてから、こう答えるようになりました。
ベジファーストはカウンセリングに来られる方の半分以上はすでに取り組まれています。確かに効果があるので、私も知らない方にはおすすめしています。
野菜不足の方が多い中、野菜を積極的に食べる事は大切ですが、最近は先に野菜を沢山食べすぎて他のおかずやご飯を食べられない方が急増しています。特に胃腸が弱い方や高齢の方。
野菜中心でヘルシーと思われるかもしれませんが、野菜だけの食事になると様々な不調が増えてきます。
ベジファーストで野菜ばかりの食事になってしまうと…
例えば…『すぐにお腹がすいて、間食が増えてしまった』
→ 野菜はほとんどが水分なので腹持ちは悪いため、野菜だけの食事はすぐにお腹がすきます。
例えば…『体が細くなり(筋肉が減った)疲れやすくなった』『体重は減ったけれども気力も減った』
→ エネルギーの不足、必要なタンパク質の不足により、脂肪だけでなく筋肉がエネルギー源として使われてしまった。
このような方には、先に全ての野菜料理を食べるのではなく、最初に小鉢1杯分ぐらいの野菜を食べて、後の野菜はご飯やおかずを合わせながら(和食の基本:口中調和)食べてはいかがでしょうかとお話しします。
一方、食欲旺盛で体に熱がこもっているような方には、食前に1食量の野菜を食べる事をおすすめすることはあります。野菜には体の熱を取り、食欲を抑える働きがあるからです。
野菜の食べる量や食べるタイミングも、体質に合わせて食べる事が大切です。
車で例えると、野菜は車の調子を整えるオイル(潤滑油)です。潤滑油は、車体(タンパク質)やガソリン(炭水化物)があってこそ、その効果を発揮します。うまく車が走れるように、食事を調整してみてください。